Wikipediaの記事を書く日記

Wikipediaに食品などの記事を執筆した後に、感想とかを書いています。

4年ぶりに書き始める:メジュ、福山酢

4年ぶりにWikipediaで記事を書き始めて、こちらのブログも4年ぶりです。

 

特になにかあって書かなくなったというより仕事や家庭が繁忙期だったのですが、幸か不幸かCOVID-19で業務量がだいぶ落ち着いて、時間ができました。基本的にWeb上だけで文献調査を行うスタイルなので、在宅勤務との相性は良いようです。

 

Wikipediaを眺めていて福山酢を調べたいなー、と思ってこの文献↓

www.jstage.jst.go.jp

を読んでたら、今ならまた書けるのでは?とふと気づき、出典などのフォーマットを思い出しながら5,800byteぐらい書きました。これが楽しかったので、同じ地理的表示(GI)の対象になってる球磨焼酎などを書き…という状況です。

 

途中で寒食節とか書いてて参考文献を引っ張ったKoreana : 韓国の文化と芸術が面白かったので、朝鮮関係の記事をいくつか書き、その流れでメジュを書きました。

ja.wikipedia.org

 

記事を書くのは基本的に何でもいいんですが、

・信頼できる文献(できれば査読あるやつ)がWebで読める:私の場合必須

・他言語版の記事がある(トウモロコシ茶とか) or 日本語版内でリンクが多い(芋焼酎とか):やる気が出やすい

・自分の中でイメージしやすいもの:食品が多くなる原因?

といった要素がモチベーションになります。メジュの場合は特に「多言語版がある」ですね。

 

文献としては、2014年のキッコーマンの機関紙↓がすごく良かったです。内容もレイアウトもすごくクオリティ高い。

www.kikkoman.co.jp

 

メジュは茹でた大豆をつぶして四角や球にまとめて発酵させ、テンジャンやコチュジャンの原料になります。発酵なので日本醸造協会誌は強いですね。カンジャン(メジュから作る醤油)も書きたい。そのうち。それでは。

かぶら寿司、大根ずし:石川県のなれずし

Wikipediaに記事を書く日記、今回はかぶら寿司(加筆)と大根ずし(新規)でした。

 

どちらも加賀藩時代から作られている正月料理です。時事的なテーマと言えるかもしれません。

…それはそれとして、なれずしと言えば米と魚だけの鮒ずしとかある滋賀県。それに対して、麹や野菜を使うのが北日本で作られる飯寿司で、その境界にあるのが北陸地方です。今回引用した文献だと、2010年の食品微生物学会の論文とかがその点に触れてます。引用しなかったものだと、この論文とか。

 

かぶら寿司はほとんど全部書き換えてしまった感じで、そういう加筆が良いのか悪いのか…というのは多少迷いがあります。「ぶりのすし」とかの記述は意識的に残したんですが。

あと、郷土料理は農水省がwebに情報を上げていて、今回も助かりました。一番のベースはJ-StageCiNiiの論文検索ですが、それに加えて「項目名 + "maff.go.jp"」とかでググって調べてます。

 

にしんずしとかハタハタ寿司も加筆しがいのある状況なので、追々書いていきたいと思います。

相白味噌、讃岐味噌、秋田味噌:静岡、香川、秋田の味噌

Wikipediaに記事を書く日記、今回は相白味噌讃岐味噌秋田味噌の味噌3本立てでした。

 

味噌の新しい記事を書いたのは、たぶん府中味噌以来。加筆なら御膳味噌があります。

raccoon-japanese.hatenablog.com

本醸造協会誌に『味噌風土記』という連載があって、味噌の記事は主にこれをベースに書いています。近代まで存在しなかった讃岐味噌は違いますが。

 

それぞれ特徴は違っていて、相白味噌はちょっとイレギュラーな白味噌、讃岐味噌はオーソドックスな白味噌。どちらも日持ちしにくいけど、調味料として優秀です。農水省味噌マップとか見やすくて良いですね。いつかWikipediaにも分布地図を作ろう。

 

讃岐味噌と秋田味噌は、まだ最近の活動も探せば出てくるんですが、相白味噌はそうでもない。生産がかなり減少している雰囲気があります。ちなみに秋田味噌は酵母の開発の論文とかもあって、書かなかったけど面白かったです。

 

次は麦味噌とか書いてみたいですが、どうするか。

パルショータと猪肉:エチオピアの酒と、イノシシの肉

明けましておめでとうございます。

Wikipediaに記事を書く日記、2015年最後はパルショータ、今年最初は猪肉でした。

 

パルショータは主食になる酒という、ちょっと変わった飲料です。発酵させると必須アミノ酸が少し増えるらしくて、食文化に必然性がある感じですね。初読ではびっくりしましたけど。海外の酒なのに外国語版の記事はなく、2013年のこの論文を頼りに書いてました。だいたい2時間弱。

論文著者の砂野先生しかほぼ研究してないっぽく、外国語で検索するとWileyに寄稿した英文記事が出てきます。オープンアクセスで写真も見やすいので、英語にひるまない方はぜひ読んでみてください。

 

猪肉の方は、Wikipedia食分野の執筆依頼に応えようという、私としては珍しい動機で書きました。チョッカルとかブルムとか、書いてから気づいたのはいくつかあるけど、意識して執筆したのは初めてです。

すごい昔から人類が食べているけど、海外の具体的な遺存体の話とかは少なくて、だらだらと8時間ぐらいかけて書いてました。風邪っぽくて、正月料理も少しだけ作りながらで、作業効率は低かったです。テーマとしては、まあまあ楽しかった…かな。

 

先月の牛糞とか、その前の朝鮮民主主義人民共和国鉱業みたいに、他言語版がある記事を30,000byte以上書く、というのを月一ぐらいで続けてみたいと今は考えています。ヘラクレスの試練じゃないけど、12個ぐらいできると良いですね。なんとなく。

raccoon-japanese.hatenablog.com

raccoon-japanese.hatenablog.com

 

山科なす:京都のナス

Wikipediaに記事を書く日記、今日は山科なすでした。所要1時間半で、ワンドロまではもう少し。

 

記事のサイズは7kbyteぐらいでそこそこですが、文献がほぼ2本にしぼられていて、書くのが楽でした。良い文献(というかリソース)見つけるのが、Wikipediaの記事書く上で70%ぐらいを占める気がします。

今回はこの論文と、ブランド京野菜のガイドで事足りて、さっくり書けました。全体の軸になるものがない牛糞を書いた経験で、だいぶ鍛えられたな…。

 

ちなみに京野菜の山科なすですが、以前に書いた賀茂なすほど知名度は高くありません。形も普通だし、正直特徴が伝わりにくい。京野菜のブランド力がなかったら、F1品種に駆逐されていたのかも…とか考えてました。

raccoon-japanese.hatenablog.com

 

次も食品書こうかな…。食品記事は楽しい、と改めて感じました。

牛糞と牛糞ケーキ

 

Wikipediaに記事を書く日記、今回は牛糞牛糞ケーキでした。半月ぐらい他に何も書かず、牛糞の大作記事…。牛糞は20時間、牛糞ケーキは3時間ぐらいかかりました。

 

なんで書こうと思ったかというと、日本沙漠学会が牛糞の特集号を出していて、読んで面白かったからです。Wikipediaに牛糞の記事がなかったのは、正直意外でした。11月初旬には書こうと思ってたんですが(参照↓)

raccoon-japanese.hatenablog.com

なにしろ長くて、面白いけど大変でした。参考文献が論文19本 + Web情報4本。朝鮮民主主義人民共和国の鉱業の2倍ぐらいの文献使って、途中で牛糞ケーキも書いて、時間も2倍以上かかりました。牛糞全体を見渡す論文がなかなかなくて、効率は低かったです。あと、実生活で1週間ぐらいダウンしていました…。

 

次は軽いの書きます。たぶん。

 

ブルム:インドネシアの菓子と醸造酒

Wikipediaに記事を書く日記、昨日はブルム_(食品)でした。インドネシアで米を発酵させて、絞って煮詰めて乾燥させると菓子のブルム、そのまま酒にすると酒のブルム。ちなみに絞った残りはタパイになるっぽいです。

 

記事名からして、ブルムが曖昧さ回避だからカッコ付きになるけど、食品?酒?と悩みました。ちなみにコアの時も、そのまま食べるものじゃないのでカッコ内を悩みました。

これでめでたくアジア月間の3,500byte×5本はクリア。枕を高くして寝れました。5本目を何にするか土曜の夜に考えてて、手持ちのpdfをあさったら小崎先生の論文が出てきたので、題材をこれにしました。

ci.nii.ac.jp

日曜の夜に書き始めて、結局3時間近くかかりました。酒の方のブルムが文献見つからなくて、J-STAGEはちょうどメンテナンス中という間の悪さ。あと、他人の撮った写真を英語版WikipediaからWikimediaにアップロードするのに20分ぐらいかかりました…。CiNiiで「ブルム インドネシア」で検索したり、結局なんとかなりました。

9月みたいに時間がたっぷりあったら、プラボウォ書いたついでにインドネシアの大統領選とか書きたかったな…と思ってます。ちなみに、今日は朝鮮民主主義人民共和国の鉱業書いた時の文献を使いまわして、北朝鮮の鉄道に加筆しました。所要40分ぐらい。

 

次は大きいの書こうかな…。